top of page

シアノバクテリア培地作製と培養条件
 

シアノバクテリア(Synechocystis sp. PCC 6803、Synechococcus elongatus PCC 7942, Synechococcus sp. PCC 7002など)の培地には合成培地であるBG-11(ビージーイレブン)を用いる。

※プロトコールにつきましては、必ず他の文献などもご確認ください。

BG-11の作製には、ストック溶液を6種類作り、培地を作る際に混合していく。ストック溶液はすべて冷蔵で保存する。HEPES bufferストックのみオートクレーブで滅菌する。I液はフィルター滅菌。


培地
●I液 Citric acid 0.6 g
Ferric ammonium citrate 0.6 g
Na2EDTA 0.1 g /200 mL

●II液 NaNO3 30 g
K2HPO4 0.78 g
MgSO4・7H2O 1.5 g /1L

●III液 CaCl2・2H2O 3.8 g /200 mL

●IV液 Na2CO3 4 g /200 mL

●V液 H3BO3 2.86 g
MnCl2・4H2O 1.81 g
ZnSO4・7H2O 0.22 g
CuSO4・5H2O 0.08 g
Na2MoO4・2H2O 0.021 g
H2SO4 50 uL 10% H2SO4 solution

MilliQで1Lにメスアップ後に、Coを加える。
Co(NO3)2・6H2O 0.0494 g

●1M HEPES-KOH (pH7.8)

I液はx500、II液はx20、III液はx500、IV液は x1000、V液はx1000、HEPESはx50のストック溶液。

上記をII液、HEPES、III液、IV液、V液順番にメスシリンダーに入れていく。その後、MilliQでメスアップし、メジュームビンに移しオートクレーブ。オートクレーブ後、溶液が冷めたらI液を加える。

液体培地の作製
I液以外のストック溶液を混合し、MilliQでメスアップ。オートクレーブをかけ、冷めたらI液を加える。

固体培地の作製
※アガーの終濃度は1.5%。
オートクレーブ用のフラスコorメジュームビンを2つ用意。
片方に、I液以外のストック溶液を混合し、MilliQでメスアップ(終濃度の2倍の濃さにする)
もう片方に、3%アガーと2 mMチオ硫酸ナトリウムを加え、MilliQでメスアップした溶液を等量作製。
別々にオートクレーブ。少し冷めたところで、混合し、I液を加える。プレートにまく。


窒素源について
通常の実験は、窒素源としてNaNO3を使うが、NH4Clを使う場合もある。我々の研究室では、前培養にNaNO3を使うが本培養にはNH4Clを使っている。

窒素欠乏培地BG-11(-N)の場合は、II液を加えず、代わりにK2HPO4 溶液、MgSO4・7H2O 溶液を別々にx50の濃度で作って保存しておく。また、500 mM NH4Cl溶液を作製し、使用直前にBG-11(-N)培地に終濃度5 mMとなるように加える。


培養条件
●光条件 White Light, 30 ~ 100 μmol photons/m2s
●CO2濃度 液体培地用に1~3%(本来3%と言われているが、節約している場合が多い)。我々の研究室では1%CO2 in Airである。プレートはAirで育てている。

写真.jpeg

●プレートは、2週間に1回程度植え継ぐ。植え継ぎ過程で、Suppressor変異が起こることがあるので、かならずフリーズストックをとっておき、たまにフリーズから起こす。


●Growthは、OD730 nmまたはOD750 nmで濁度を測定する。
 OD730 = 0.4で大体 8 x 10E7 cells / mlと言われている。

●生理学実験を行うときは、遠心に注意。培地交換などを行う場合は、室温で遠心。または、遠心ではなく、フィルター置換を行うとよい。



フリーズストックの作製法
方法はいろいろあるが、大腸菌と異なり、集めるCellの量を多くし、グリセロールではなくDMSOを使う。

OD730 = 1~2くらいのCellを30~60 mLエッペンに集める。

遠心(必ず室温で!)

CellをBG-11 500 μLのBG-11に懸濁

DMSO 40 μLを加える。ピペッティングでよく懸濁する。

-80℃に保存。

使うときは全部を溶解せずに、一部をかきとって、プレートに塗る。



薬剤濃度(BG-11プレート)
Km (カナマイシン)50 μg/mL
Cm (クロラムフェニコール)20 μg/mL
Sp (スペクチノマイシン)30 μg/mL
Gm (ゲンタマイシン)3 μg/mL(※液体培養の時は0.3μg/mL)

※プロトコールにつきましては、必ず他の文献などもご確認ください。

bottom of page